ドキュメンタリー映画『ブラジル・バン・バン・バン』ザ・ストーリー・オブ・ソンゼイラ 〜ジャイルス・ピーターソンとパーフェクトビートを探しもとめて〜

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COMMENTS推薦文

8年前、レコーディングのため訪れたブラジル。思い出のスタジオ、懐かしいミュージシャン達の顔。たくさんの良質なブラジル音楽が詰まった、まるでリオの旅案内のようなこの映画は、ほんの少しのsaudadeと共に、たくさんの眩しいブラジルの思い出を蘇らせてくれました。また行きたくなりました!

akiko

このドキュメンタリーには、音楽への愛、人との交流、旅の醍醐味、文化の定義、そして、更には、創造のプロセスが詰まっている。ジャイルス・ピーターソンが賞賛される理由とブラジル音楽の魅力が一体となった素晴らしい作品である。笑撃?のラストを見逃すな!

沖野修也(Kyoto Jazz Massive)

ブラジル音楽のエッセンスの虜になるのは計り知れない心地よさを感じるからでしょう。アフリカから人類は生まれ、ブラジルの大地に我々の奥深い鼓動を懐かしむ事ができるからでしょう。ブラジルをこのような形で表現してくれてありがとう。世界の人類の融合、未来世紀ブラジルにサウージ!

小野リサ

ダンス・ミュージックやクラブミュージックに興味のある人で、ジャイルス・ピーターソンの名前を全く知らないという人はいないだろう。DJとしてその名は世界中に馳せており、いまや音楽プロデューサーとしてもその活動の幅を大きく広げている。

ブラジル音楽に関してジャイルスは、我々日本のブラジル音楽ファンと同様にブラジル人ではないので、ブラジル音楽を「外から」の視線で眺め、その地が産み出す音楽の魅力に「取り憑かれ」、その結果として現地に「赴き」、様々なブラジル音楽を「過去という扉を開けて掘り起こし」、それらの中からジャイルス本人が素晴らしいと思ったものだけを「厳選して」世界中の音楽ファンに「知らしめて」くれた。

彼がそういう作業をしていなかったら、ブラジル音楽は、日本国内のことだけを考えても、ここまで普及することはなかったかもしれない。そしてジャイルスによって、あらためて過去の音楽が発掘されたエドゥ・ロボ、マルコス・ヴァーリ、アジムスなどのようなブラジルのアーチストたち(他にもたくさん!!!)も、ジャイルスにはいくら感謝しても感謝し切れないことだろう。

この映画はそんなジャイルスが自分自身のブラジル音楽体験を踏まえた上で、彼が好むプロデューサーやミュージシャンたちとの共同作業で「ジャイルス・ピーターソンが考える理想的なブラジル音楽」を編み出した時のドキュメンタリーである。地元の人間には意外に分からなくて、外部の人間でないと見えて来ない部分などを、ジャイルスなりに上手に盛り込んでおり、ブラジル音楽のひとつの「桃源郷」を達成している。

制作現場での様々な出会いは「奇跡」を生んでいくが、ましてや、そこがブラジルならば「偶然の出会い」はいつしか「必然」に変わって行く。その現象をきちんと記録した映像を見ていると、こちらにもその時のジャイルスの感動が実感として伝わってくる。ジャイルスが映画の中で自ら語っているように、彼がプロデュースした作品『Brasil Bam Bam Bam』はきっと「自分の想像を超えて良い作品」になったのだ。

通常、僕らがミュージシャンを見たり聴いたりするのは劇場やライヴハウスでの公式なパフォーマンスだが、スタジオ内で制作中の彼らの表情がいかに真剣なのかを知ることもとても大切なことで、そういう素顔の部分をこの映画の中で見られるのはとても嬉しい。

この映画の全編を通じて根底に流れているのは、リオ・デ・ジャネイロという街特有の、ものすごくポジティヴなエネルギー感だ。ブラジル音楽に憧れた者たちは、リオに到着して初めて、自分が音楽を通してその前向きなエネルギーに「憧れている」ことを理解する。ジャイルスの眼と耳という、とても適切な「フィルター」を通した映像は、ブラジルをまだ知らない人間にブラジルの魅力を伝えるには充分過ぎるパワーがあると云えるだろう。出来ることならば、もっともっとこの続きを観てみたいものだ。

ケペル木村(中南米音楽/MPB)

果てしないブラジル音楽の旅。そのサウンドスケープは鮮やかに五感を刺激するし、音楽的な側面を切り取ったカットの小気味よさは何故かダンスミュージックを連想させる。加えて、レジェンド達の何気ないささやきが胸に深く突き刺ささったまま何度もフラッシュバックする。音楽愛好家のみなさん。これは必ず観ておくべきです。

須永辰緒(DJ/音楽プロデューサー)

ここだけの秘密なのだが、ジャイルス・ピーターソンは魔法が使える。彼の音楽の魔法にかかるために、世界中のMusic Loverがフロアに集まるのだ。もちろん魔法の杖なんて持っていない。DJブースで輝くのは彼の笑顔だ。スペシャルな音楽に出会ったときに彼が見せる笑顔は、少年のように無邪気で、太陽のように明るい。僕だって、その笑顔が見たくて音楽をやっているようなものだ。このフィルムにはそんな彼の笑顔が沢山詰まっている。そんな彼が愛する音楽が産まれた国、ブラジル。そこは、彼と同じ最高の笑顔で満ちあふれた、魔法の楽園だった。

SOIL&"PIMP"SESSIONS 社長

ジャイルスが血眼になって探しているジョゼ・プラテスのレコードの実物を僕が初めて見せて(聴かせて)もらったのも、エヂ・モッタの家だった。ジャイルスとエヂが一緒にいたレコード店TRACKSは20年来の友人の店だし、スタジオに行けばカシンやステファンやマルサルヂーニョら馴染みの顔が揃っているし、映画を見ているというよりもRPGをやってるような錯覚に陥ってしまった。個人的な話はさておき、音楽が生まれる過程と音楽を育むリオの様々な日常が、一点の曇りもない現場目線で描かれていることに心から共感する。Vamos pro Rio!

中原仁

音楽の神様に愛された国ブラジル。
涙も笑いも音楽に変え、世界に魔術をかけていく。
ジャイルスが旅するリオは、またその新しい顔を覗かせてくれる。
そして悪戯な笑みを浮かべては、この手から逃げてしまうよう。
その残像を追いかけて、知らぬ間に私の心には、
サンバが鳴り響いているのでしょう。

orange pekoe ナガシマトモコ a.k.a. Nia

私は、ブラジルと、何かしら、縁があります。
この映画にも、友達が出ていて、とっても嬉しくなりました。
私は、ニューヨークに住んでいますが、ブラジル人の友達と音楽を作ることがあります。ラッキーなことに、色々、彼らからブラジルの音楽、事情、歴史を聞かせてもらってきました。私は、ブラジルの音楽から多大な影響を受けています。

実際のリオは、もちろん、色々な問題も抱えていますが、この映画は、ジャイルス・ピーターソンのポジティブで明るいエネルギーが出ていて、テンポが良くて、好意が持てます!(現実的なことは、最後に出てくるエリザ・ソアレスの涙が、全て物語っていると、私は思いました。)

アフリカから来たそれぞれの種族が、奴隷としてブラジルで集まって、それぞれ違ったリズムが混ざって生まれたサンバのリズム。とても重い歴史の中で生まれた、生命力のある叡智だと私は思っています。私は、そこに、洗練された力強さを感じます。ブラジルに行き着いたアフリカ人達に、疎外のエネルギーがあったら、音楽って生まれてこなかったのではないかと思います。

個人的な話ですが、この映像の中でエリザ・ソアレスが最初に歌った曲「NAÑA」は、私も歌ったことがあるのですが、この映画に出てくるバージョンには、驚かれされました。すごくアヴァンギャルドだからです。私はアヴァンギャルドの発祥地とも言えるようなニューヨークに住んでいますが、エリザ・ソアレスのほうが、何倍も、アヴァンギャルドですし、より自由でした。私は脱帽しました!

そして、彼女が最後に歌った曲「Aquarela Do Brasil(ブラジルの水彩画)」、これは、私も大好きな歌ですが、こんな風に歌うなんて、全く想像していなくて・・・
彼女の瞳から涙が・・・
なんて美しいのだろう・・・

私も、感動して、涙が出てきてしまいました。

ブラジルの歴史、現状、空気を知って歌ったら、本当は涙が出るのが当たりまえなのかもしれません。彼女は、そういう純粋な心で歌っているのかと思うと、本当にありがたくて、貴重な映像だと私は思いました。サウダージがいっぱいです。

ハトリミホ(CIBO MATTO)

ブラジルの音楽についてあまり詳しくないぼくはこの作品をとても興味深く見ました。基本的に企画アルバムの制作舞台裏を描いたものなので、どこか「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」と共通点がありますが、「ブエナ・ビスタ」をプロデュースしたライ・クーダーと同様に、「ソンゼイラ」を手がけたジャイルズ・ピーターソンも部外者として独特の視点を持って様々な世代のミュージシャンたちをまとめています。撮影や編集も非常にカッコよく、一つのドキュメンタリーとしても十分見応えがありますが、見終わったらこのアルバム「Sonzeira - Brasil Bam Bam Bam」が絶対に欲しくなります。

ピーター・バラカン

ソンゼイラの名の下にブラジルを代表する新旧のミュージシャンが勢揃いした価値あるプロジェクトの制作現場に密着した素晴らしいドキュメンタリーであると同時に、改めてジャイルス・ピーターソンの音楽への尽きること無い情熱と、飽くなき探究心をひしひしと感じることが出来ました。既にスタートしているソンゼイラの続編がさらに楽しみになること間違い無し。是非、スクリーンでご覧下さい。

松浦俊夫

これは若きジャイルス青年が魅了された音楽のルーツをたどる旅でもあり、ブラジルに集まった様々なカルチャーの歴史をたどる旅でもある。「息をするのと同じように、私達は音楽に包まれている。音楽とともに生まれて来た」そう語る女性シンガーの言葉を裏付けるように幼いお子さんが刻むファンキーなステップ。生まれながらして音楽が友達のようだ。そうした地でジャイルスが多くの再会を果たしながら作ったアルバム『Brasil Bam Bam Bam』をこのドキュメンタリーを見た後に改めて聴いてみると、彼らのスピリットがより近く感じられ、音も一層味わい深く心に刻まれることだろう。

レイチェル・チャン